Navitimer Rattrapante

機械式クロノグラフの頂点

クロノグラフの第一人者、ブライトリングが発表する新しい自社開発・製造ムーブメントは、機械式時計における究極のコンプリケーション(複雑機構)のひとつ、スプリットセコンド・クロノグラフ(ラトラパンテ)を搭載しています。《プロフェッショナルのための計器》の製品哲学の下に新たに開発されたこの自社開発・製造キャリバーB03(2件の特許を取得)は、最高の精度、耐久性、信頼性を実現する革新的な構造を誇っています。ブライトリングは、この技術的壮挙を搭載するモデルとして、伝説的なナビタイマーに白羽の矢を立てました。新しいナビタイマー ラトラパンテは、ステンレススチールおよびレッドゴールド・モデルから選択でき、いずれもエクスクルーシブなブロンズ・カラーの文字盤を備えています。 

自社設計の機械式クロノグラフ・ムーブメントを擁する時計ブランドの数は、きわめて少数です。中でも真の自社開発・製造スプリットセコンド・クロノグラフ・キャリバーを所有するブランドは、さらに限られています。自社開発・製造のCOSC公認クロノメーター、キャリバーB03の発表は、クロノグラフの3機能を行う2時位置の専用プッシュボタン(1915年)、第2の独立したプッシュボタン(1923年)、世界初の自動巻クロノグラフ(1969年)など、機械式クロノグラフの発展に決定的な役割を演じ、この分野のリーダーとして自他共に認めるブライトリングの地位を、さらに確固としたものにすることは疑いありません。またブライトリングは、1944年には偉大なクラシックのひとつで、超薄型のスプリットセコンド・クロノグラフを搭載した《デュオグラフ》を創作しています。デュオグラフは今日、愛好家、コレクターから熱狂的に追い求められるモデルとなっています。

究極のパフォーマンス
スプリットセコンド・クロノグラフは、通常は重なって進むクロノグラフ秒針とスプリット秒針を持ち、後者を一時ストップさせることにより中間タイムを読み取り、その後再びクロノグラフ秒針に《追いつかせる》(フランス語でrattraper)ことができる機構で、最も製造が困難なコンプリケーション機能のひとつとされています。この機構を搭載した《グランド・コンプリケーション》は、スプリット秒針車のあがき調整、バネの強度調整、クランプの位置調整など、熟練した時計技術者によるきわめて長時間の調整作業を必要とします。このため、製造はごく少量のみとなっています。自社開発・製造スプリットセコンド・クロノグラフ・キャリバーを開発するにあたりブライトリングは、この究極の機構に革新的な視線を投じました。ブライトリング技術陣は、《プロフェッショナルのための計器》の製品哲学に忠実に、大規模な製造ラインにおいて最高の精度、耐久性、信頼性を実現することを目指しました。ブライトリングは、すでに1940年代に《大規模生産における高品質》を謳っていました。その意図する所は、最少数の構成部品により最高のパフォーマンスを実現し、調整にかかる時間を削減することです。すなわち複雑な問題にシンプルで効率的な解決法を与えることであり、そのためには数年間にわたる研究開発とテストが必要でした。

究極の機構に投じられた革新的な視線
スプリットセコンド・クロノグラフの開発者が直面する最大のチャレンジは、エネルギーの問題です。スプリット秒針のストップと再スタートの度に必要なエネルギー量が変動し、これがクロノグラフの計時精度とパワーリザーブに影響を与えます。この問題を解決するひとつの方法は、スプリット秒針の停止時に、これをムーブメントから隔離することです。ブライトリングの解決法もこの考え方を踏襲しています。しかしブライトリング技術陣は、最も信頼性とパフォーマンスの高い機構を生み出すために、スプリットセコンド・クロノグラフの構造を根本から見直しました。その努力が2件の特許となって結実したのです。第1の技術革新は、隔離機構に関するものです。従来の機構では、停止時にスプリット秒針レバーを隔離するのは、複雑な形状の部品でした。この部品はきわめて微小なため、製造が困難でした。ブライトリングは、これに代えて型打ちによる部品を採用し、幾何学精度と耐久性を向上させました。この技術革新により、スプリット秒針の作動時にクロノグラフの計時精度とパワーリザーブに影響を与えることは一切なくなりました。第2の技術革新は、スプリット秒針の停止機構に関するものです。従来の機構では、滑らかな、または微細な歯の付いたスプリット秒針車をスプリット秒針クランプが両側から挟んでロックする仕組みでした。この仕組みは複雑で製造が困難なばかりか、精度上も問題がありました。ブライトリング技術陣は、ゴムのブレーキパッドを用いた自転車のキャリパー式ブレーキからインスピレーションを得て、スプリット秒針車の外周にシーリングを被せ、これをスプリット秒針クランプが挟むようにしました。その結果、スプリット秒針車の停止はきわめて高精度に行えるようになり、製造工程もシンプルとなったため、信頼性が向上しました。

知性あるアーキテクチャー
自社開発・製造スプリットセコンド・クロノグラフ・キャリバーB03の開発に当たり、ブライトリングは、自社開発・製造クロノグラフ・キャリバー01をベースとしました。キャリバー01は、その効率的な構造により、これまでになく操作の快適なGMT、ワールドタイムなどの機能を追加することが可能となっています。キャリバーB03は、精度の安定性を保証する70時間以上のパワーリザーブ、モジュール構造など、ハイパフォーマンスなキャリバー01のすべての利点を受け継いでいます。キャリバーB03のスプリット秒針機構は、わずか28個の部品から構成されています。その大部分は地板(メインプレート)とカレンダー機構の間にまとめられており、製造、組立てはもちろん、モジュールを取り出してオーバーホールできるため、メンテナンスも大幅に効率化されています。自社開発・製造スプリットセコンド・クロノグラフ・キャリバーB03は、ブライトリングのすべてのムーブメントと同じく、精度と信頼性における、国際規格に基づく唯一の認定基準である、COSC公認クロノメーターです。

究極の機構を搭載したナビタイマー ラトラパンテ
ブライトリングは、この新しい究極の機構を搭載するモデルとして、1952年以来、世界で最も長い歴史を誇る機械式クロノグラフ、著名なナビタイマーに白羽の矢を立てました。ケース径45 mmのナビタイマー ラトラパンテは、ステンレススチール、および250本限定生産のサファイアクリスタル・ケースバック仕様のレッドゴールド・モデルから選択できます。いずれのモデルも、歴史的なナビタイマーを思わせる、シルバーのサブダイヤルとインサイド・ベゼルを配した、エクスクルーシブなブロンズ・カラーの文字盤を備えています。通常はクロノグラフ秒針を装飾する、一体化したBのイニシャルと錨が、このモデルでは、クロノグラフ秒針にBのイニシャル、スプリット秒針に錨と2つに分けられています。このため、クロノグラフ計測の際、スプリット秒針が停止している時は2つに分かれているBのイニシャルと錨が、2本の秒針が重なり合って進む時にはひとつに見えることになります。3時位置のリューズに統合されたスプリット秒針プッシュボタンは、1度押せばスプリット秒針を停止させ、再度押せばクロノグラフ秒針に追いつかせることができます。この操作は何度でも繰り返すことができ、中間タイムや複数の選手の個別タイムを読み取ることができます。ナビタイマー ラトラパンテは、ブライトリングの伝説的モデルに複雑機構を搭載した機械式クロノグラフの頂点です。